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2021年03月12日

呼吸

呼吸は多少なら自分の意思でコントロールができて、短時間ならば息を止め
たり、やろうと思って深呼吸もできますが、走っていて苦しい時に「もっとも
っと酸素が欲しい!」と思っても意図的に換気量を増やす事はできません(体
が欲している量は増やすことができても。もっと多く!というわけにはいかな
い)。それは、体の状態を脳がキャッチして制御しているからです。

 そのコントロールをしているのは呼吸中枢です。血液中の酸素と二酸化炭素
の濃度は、血管(脳に血液を送り出すところと体に血液を送り出すところ)で
チェックしてその情報を呼吸中枢に送る、肺胞がちゃんと動いているかどうか
もこの中枢に情報が送られる、そして中枢から呼吸筋(横隔膜など)に命令が
いって、呼吸のリズムや深さが作られたり調節されたりしています。

 酸素が減ったり二酸化炭素が増えたりしなければ、普段の何気ない穏やかな
呼吸が続きますし、逆になれば換気量を増やせ!という命令が発令されて呼吸
筋にもっと働いてもらうことになります。そのため、もし、もうちょっと酸素
が欲しいから(?)と呼吸数を意図的に増やしたとしても長くは続けられませ
んし、多少は息を止めていてもすぐに苦しくなって呼吸を始めることになるの
です(「息を止めていよう」より呼吸中枢からの命令の方が強い)。


 さて、少々話は変わりまして、ビルドアップ走のように少しずつペースを上
げながら走っていると、途中から呼吸が弾み出します。その呼吸がハアハアし
出したところを換気性作業閾値(VT)と言います。換気量(1回換気量×呼吸
数(回/分))が急に増え出すところ、とも言えます。

 走るペースと比例して換気量が増えるのではなく、あるところから急に増え
出す、そのポイントです。正確に測るには走行中の呼気ガスを分析しなければ
なりませんので、なかなか測定のチャンスはありませんが…。

 なお、閾値といえば、LT(乳酸性作業閾値)の方がメジャーかもしれません。
VTとLTの発現はほとんど同じペースと考えられています。少しずつペースを上
げて走っていると、あるペースから血中乳酸も換気量も増え出す、ということ
になります。

 同時に増え出すものの、乳酸が増え出したから換気量が増える、というよう
なことではなく、それぞれに上がる理由があると考えられています。換気量が
増え出すのは、体がより多くの酸素を欲し、二酸化炭素の排出を求めていると
も言えますが、交感神経が活発になることでアドレナリンが増えたり、血中の
カリウム濃度が上がることも関係していると言われています。



Posted by スピードシード at 19:57│Comments(0)
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